[分解] オーム電機 LED電球 GRANGRADE LDA8N-G AG6/RA93

今回は、オーム電機が2020年11月に発売した高演色(Ra93)LED電球、GRANGRADEシリーズの“LDA8N-G AG6/RA93”を紹介・分解していきます。

その他のLED電球は

その他の分解記事は

GRANGRADEシリーズのLED電球は2023年2月現在、以下の10種類がラインアップされています。

白熱電球40W相当

  • LDA5L-G AG6/RA93 電球色/4.8W/500lm/104.1lm/W
  • LDA5N-G AG6/RA93 昼白色/4.8W/525lm/109.3lm/W
  • LDA5D-G AG6/RA93 昼光色/4.8W/540lm/112.5lm/W

白熱電球60W相当

  • LDA8L-G AG6/RA93 電球色/8W/820lm/102.5lm/W
  • LDA8N-G AG6/RA93 昼白色/8W/847lm/105.8lm/W
  • LDA8D-G AG6/RA93 昼光色/8W/870lm/108.7lm/W

ボール電球60W相当(95mm径)

  • LDG8L-G AG6/RA93 電球色/7.8W/810lm/103.8lm/W
  • LDG8D-G AG6/RA93 昼光色/7.8W/860lm/110.2lm/W

ボール電球100W相当(95mm径)

  • LDG12L-G AG6/RA93 電球色/12.6W/1419lm/112.6lm/W
  • LDG12D-G AG6/RA93 昼光色/12.6W/1480lm/117.4lm/W

外観

まずは箱です。上位グレードのものなので銀色の箱に印刷されています。高級感はあるのですが注意書きが読みにくいです。

昼白色なのでアクセントカラーは緑色となっています。

安全上のご注意と5年保証についてが箱の上部に印刷されています。

放熱部は最近多いPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂製のようです。

グローブが大きいので全方向形となっています。

口金近くに型番が印字されています。

LDA8N-G AG6/RA93
100V 50/60Hz 8.0W
201030 MADE IN CHINA
(PS)E OHM

グローブ上部です。樹脂製なので万が一落としても割れにくいです。

口金です。コストダウンのためか金属が若干薄いですが問題はないです。

全長は107mm、外径は55mm、質量は47gとなっています。

点灯させてみました。Ra93ということもあり少し赤っぽい昼白色となっています。

手で比較してみました。

左は東芝のLDA7N(Ra70)、右が今回のLDA8N-G AG6/RA93(Ra93)です。

ホワイトバランスは太陽光ですが、左は黄色被り、右は赤被りを起こしているので発色が大きく違うことが判ります。

この傾向は「LED電球プレミアX」と似ています。

被写体は手

今度はパプリカで、上が東芝のLDA7N、下が今回のLDA8N-G AG6/RA93です。

上は美味しそうには見えないですが、下は美味しそうに撮れています。

被写体はパプリカ

グローブが大きいので下方向も明るくなっています。(実はグローブ内にも秘密がありますが後述)

消費電力はET55Dでは9Wとなっていますが四捨五入なので8W台です。

カタログ値では8Wとなっています。

左は「自作高演色LEDライト」の記事でも紹介しているLED電球プレミアXのLED基板を流用した自作照明、右が今回のLDA8N-G AG6/RA93です。

色の傾向はよく似ています。

分解

ここからは分解です。

【注意】
分解や改造をした場合は5年保証が無効となります。
また、怪我をする可能性があるので真似をしないようお願いします。管理人は責任を負いません。

まず、グローブを外します。

隙間にマイナスドライバーを挿入し、てこの原理で少しずつ外していきます。

グローブが外れました。

淵の部分に接着剤が塗られていることが分かります。

LED基板の中央にレンズが付いています。

このレンズを使って光を拡散させているようです。

散光レンズを外すとこのようになります。

2835サイズのチップLEDが7個×3列で合計21個実装されています。

LED素子は2素子入っているように見えますが、電圧からして3素子入です。

このように中央7個が発する光が散光レンズで拡散されています。

散光レンズを外した状態で光らせています。やはり光が赤っぽいです。

上から順に

  • 電源回路の出力電圧 58.02V
  • LED1チップあたりの電圧 8.44V
  • LED基板に流れている電流値 126.3mA(1グループあたり42mA)

このことからLED1チップあたり3素子実装されていることが分かります。

LED基板に配線が半田付けされているので、半田こてで外していきます。

LED基板の表面と裏面です。アルミ製で放熱部に放熱するようになっています。

LED基板を外すと、内部には電源基板とアルミ板が入っています。

次に、口金を外していきます。2か所ある半田付けを外し、隙間にドライバーを差し込んで外します。

外れるとこのようになります。

電源基板の一部が見えます。

PBT樹脂だけだと放熱性能が足りないのかこのような造りになっているようです。

電源基板の表面です。

ヒューズ抵抗、メタライズドフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、インダクタが実装されています。

ヒューズ抵抗です。

茶・黒・黒・金で10Ωとなっています。

C1のメタライズドフィルムコンデンサです。

ZX473J 0.047μF 250V耐圧となっています。

E1は電解コンデンサです。

毎回お馴染みの中国 Aihua Group製
CD11GC 130℃ 5000時間定格 2034Y PET
10μF 200V耐圧品です。

E2は電解コンデンサです。

同じく中国 Aihua Group製
CD11GES 130℃ 3000時間定格 2040W PET
1μF 200V耐圧品です。

インダクタは2mH以外の詳細は不明です。

電源基板の裏面です。ブリッジダイオード、ダイオード、IC、チップ抵抗が実装されています。

BD1はブリッジダイオードです。

MB10F 1000V 800mA定格品となっています。

D1はファストリカバリダイオードです。

ES1JF 420V 1A定格品です。

U1はLEDドライバICです。

中国 Bright Power Semiconductor製 BP2866B AC85V-265V定格品が使用されています。

R1-R4はチップ抵抗です。

  • R1は512で5.1kΩ
  • R2は2R4で2.4Ω
  • R3は3R6で3.6Ω
  • R4は204で200kΩ

R2とR3は並列なので合成抵抗値が1.44Ωとなっています。

改めて基板の実装パターンです。パターンが分かりやすいように裏面だけ左右反転しています。

最小限の部品で造られていますが、チラつきのないスイッチング式となっています。

部品構成的にはダイソーのLED蛍光灯ドウシシャのLED電球に近いようです。

これで何と公式通販では税込657円(2023年2月時点)で売られています。

他社の高演色LED電球は2,000円前後するので驚異のコストパフォーマンスとなっています。

また、安いのに5年保証付きだったり性能もしっかりしているので管理人のオススメです。

2021/5/2追記:Twitterで測定されている方がいたので該当ツイートを紹介します。

このツイートによると、Raは97.3、R1は99.0、R2は99.3、R3は94.9、R4は97.8、R5は96.8、R6は95.1、R7は98.3、R8は97.4、R9は94.8、R10は95.1、R11は97.0、R12は73.6、R13は98.7、R14は96.6あるようです。

性能的にはLED電球プレミアXよりも上といえます。

今回は以上です。

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