今回は、アイリスオーヤマが販売しているLED電球の“LDA7N-G-4T5HR”を分解・検証しました。
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2024年8月現在のラインアップ
- LDA7N-G-4T5HR 昼白色相当/485lm/6.5W/74.6lm/W(今回紹介するもの)
- LDA7L-G-4T5HR 電球色相当/485lm/6.5W/74.6lm/W
- LDA10N-G-6T5HR 昼白色相当/810lm/10.4W/77.8lm/W
- LDA10L-G-6T5HR 電球色相当/810lm/10.4W/77.8lm/W
外箱
このLED電球は、Ra97と現在発売されているLED電球では最も演色性能が高いものになっています。
高演色をアピールするためなのか、カラフルなバラが印刷されています。
60W相当もありますが、箱がかなり大きくなっています。
高演色の説明や、Raの説明が記載されているのが特徴的です。
アイリスオーヤマのLED電球は5年保証となっています。
必ず箱とレシートを保管しておきます。
本体
LED電球の本体は、大きめのグローブとPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)製のボディで構成されています。
口金は薄めの金属ですが、加工は綺麗です。
型番はグローブの頂部に印字されています。
LDA7N-G-4T5HR
100V 6.5W 50/60Hz
(PS)E IRIS OHYAMA
MADE IN CHINA
左がLDA7N-G-4T5HR、右がLDA10L-G-6T5HRですが、明らかに大きさが違います。
40W相当品(LDA7N-G-4T5HR)は98mmなのに対し、60W相当品(LDA10L-G-6T5HR)は116mmもあります。
そのため、60W相当品は器具によってははみ出す可能性があります。
質量も40W相当品(LDA7N-G-4T5HR)は44gなのに対し、60W相当品(LDA10L-G-6T5HR)は162gとなっています。
60W相当品は質量面でも器具を選びます。
配光角は220°となっているので下方向にも光が拡がっています。
高演色形の欠点ですが、40W相当品なのに消費電力が7W近くあります。(カタログスペックだと6.5W)
実際に点灯させて写真を撮ってみました。
まずは苺ですが、Ra70のLED電球だと色がくすんでいますが、Ra97ある本製品は色がしっかり再現できています。
次に、手を撮影してみました。
Ra70だと黄色っぽくなってしまっていますが、Ra97ある本製品は肌の色がしっかり再現できています。
比較用に、パナソニックのパルックLED電球プレミアXで撮影した写真です。
こちらはオーム電機のLDA8N-G AG6/RA93で撮影した写真です。
発色の傾向はパナソニックのものに似ているようです。(使用しているLED素子のメーカーが同じ)
分解
【注意】
分解や改造をした場合は5年保証が無効となります。
また、怪我をする可能性があるので真似をしないようお願いします。管理人は責任を負いません。
まずはすき間にマイナスドライバーを挿入し、てこの原理でグローブを少しずつ外していきます。
グローブが外れました。
LED(SMD 3030タイプ)は7個実装されています。
グローブを外して状態で点灯してみました。
紫LEDで励起していることもあり、色が紫がかっています。
LEDは韓国 ソウル半導体製のSTW9C1SB-S(SunLikeシリーズ)が使用されています。
100lmのチップが7個実装されているので、定格駆動だと700lmになります。
- 電源基板からは44.41V
- LED1個あたりの電圧は6.32V
- LED全体の電流は142.9mA
このことから定格駆動であることが分かります。
グローブで拡散させている関係で定格で700lmあっても、400lm台になっています。
LED基板を外すと、内部には電源基板が入っています。
LED基板です。電源基板との接続にはコネクタを使用しています。
LED基板の裏側です。表面はツルツルです。
電源基板を取り出すには、口金の半田を除去する必要があります。
半田を除去したら、マイナスドライバーで口金を外していきます。
口金が外れました。
PBT樹脂製のボディの裏側には、薄いアルミ板が取り付けられています。
ショート防止のため、口金付近はPBT樹脂のみとなっています。
電源基板の表面です。インダクタやコンデンサが実装されています。
F1はヒューズ抵抗で、黄・紫・銀・金の0.47Ω±5%のものが使用されています。
C1はメタライズドフィルムコンデンサで、0.068μF 250V耐圧品が実装されています。
C3・C4・C5は電解コンデンサで、
Sinecon CD11SL(P) -40℃+105℃ M-20
5.6μF 200V耐圧品が実装されています。
恐らく中国製の電解コンデンサですが、詳細は不明です。
L1・L2はインダクタです。容量は不明です。
電源基板の裏面です。ブリッジダイオードやIC、チップ抵抗が実装されています。
U2はLEDドライバICで、中国 Shanghai Jingfeng Mingyuan Semiconductor Co., Ltd製のBP2866Eが実装されています。
スイッチング式で、LED短絡・発熱保護回路が内蔵されています。
RS1・RS2はチップ抵抗で、RS1が3.9Ω、RS2が2.0Ωで合成抵抗値は1.32Ωとなります。
D1はファストリカバリダイオ-ドで、ES1J 600V 1A定格品が実装されています。
BD1はブリッジダイオードで、MB10F 1000V 800mA定格品が実装されています。
全て分解するとこのようになります。
電源基板の部品を外しました。少ない部品で動作するように設計されていることが分かります。
電源基板の表裏です。裏面は左右反転しています。
定価だと2,000円以上するLED電球ですが、電源基板は明らかに安っぽいです。スイッチング式なのでチラつきはありませんが、耐久性に不安があります。
ただし、アイリスオーヤマは5年保証があるので保証でカバーしているといえます。
Ra97ということもあり色はとても綺麗ですが、効率面ではパナソニックやオーム電機のものよりも劣っているのが欠点です。