[分解] 東芝LED電球 キレイ色 LDA9N-D-G

今回は東芝のLED電球「LDA9N-D-G」を解析・分解しました。
なお、現在は生産終了となっています。

その他のLED電球は

その他の分解記事は

このLED電球は“キレイ色”(Kireiro)シリーズで平均演色評価値がRa90と高いものになっています。

他の40W相当のLED電球と比べると明らかに大きいです。

口金はメーカー品なのでしっかりした造りです。

TOSHIBA
LDA9N-D-G
100V 8.8W 146mA
(PS)E TSP 50/60Hz
MADE IN CHINA
と記載されています。

なお、TSPはグループ会社の東芝プレシジョン(旧東芝照明プレシジョン・Toshiba Shomei Precision)の略だと思われます。

全長は約119mmで白熱電球よりも長いです。そのため、合わない器具もあります。

グローブが大きいので下方向にも光が拡がっています。

ここからは分解です

【注意】
分解して発生した事故や怪我について管理人は責任を負いませんので、真似をしないようお願いします。また、分解したLED電球を元には戻せません。

分解するには、グローブとアルミダイカストボディーの間の隙間にマイナスドライバーを差し込み、少しずつ外していきます。

グローブが外れるとLED基板が現れます。下の画像は点灯している状態です。
LEDは16個実装されています。

電源基板からは45.94Vが供給されており、LED1個あたり5.73Vが掛かっているので2素子×8個直列が2系統となっています。
構造上片側のどれか1つのLEDが切れると半分の明るさになります。

LED素子の拡大ですが、やはり2素子入っています。
また、高演色LEDのため通常のものよりも赤みを帯びています。

グローブの裏側はこのようになっています。

放熱部は5mm程度の分厚いアルミとLED基板が密着しています。

LED基板を外すとこのようになります。なお、放熱グリスは塗られていません。

LED基板と電源基板はコネクタで接続されています。

ダイカストボディーと電源基板の間にはショート防止のためプラスチックが入っています。

電源基板はシリコンで埋め込まれているようです。

LED基板との接続コネクタはこのようになっています。

電源基板を取り出すには口金を外す必要があります。

口金を外すとシリコンと銅線が見えます。

口金もシリコンで固定されているので取り外しにくいです。

筒の後ろから押すと基板が出てきます。こちらは表面です。

裏面です。

基板の部品を見るためにはシリコンを除去する必要があります。

シリコンは粘土状のものです。

シリコンを除去した後の基板表面です。ヒューズ、コイル、コンデンサ、MOSFET、チップ抵抗、ツェナーダイオードが実装されています。(詳細は下記)

LED基板と接続されている線は抜けにくいようにカシメてあります。

MOSFETは東芝製の2SK4022が実装されています。

電解コンデンサはルビコンの160V9μF(K) RX30 125℃(2000時間定格品)が実装されています。

ルビコン製の電解コンデンサの防爆弁はKの字形になっています。
また、インダクタ(コイル)は821(820μH)となっており、ヒューズは日本製線製の3.15A 250Vのものが、ZD(ツェナーダイオード)は東芝製の55と刻印されたものが実装されています。

反対側にはA1229と刻印されていますが、
上2桁が西暦の下2桁(12なので2012年)、29は製造された週(29なので7月頃)を表しています。

メタライズドフィルムコンデンサは日精電機製の104(0.1μF) 125V耐圧のものが実装されています。

基板裏面にはブリッジダイオード、チップダイオード、チップIC、チップトランジスタ、チップコンデンサ、チップ抵抗の小型部品が実装されています。(詳細は下記)
ICには「1D」、チップトランジスタQ2は「121」、チップトランジスタQ3は「BR」と刻印されています。

Q3はJiangsu Changjiang Electronics Technology製(東芝と資本関係あり)の2SC2412のようです。

全て分解するとこのようになります。
全体的に部品が多いようです。また、日本メーカー製の部品が多いです。

過去にパナソニック製のLED電球も分解していますが、全体的にこちらの方が工作精度が高いように思います。
パナソニックも現行のダイソーよりは遥かに良いのですが、造りが若干雑な部分が見受けられます。

回路がコストダウンされる前のものなのでチラつきは気になりません。

今回は以上です。

「[分解] 東芝LED電球 キレイ色 LDA9N-D-G」への2件のフィードバック

  1. こんばんわ! アナログ爺さんです
    いろいろ分解されていますね~
    やはり日本製は良いですね! 作りが違う
    個人的に良いな~と思ったのがシリコンですね!
    多分放熱用の耐熱シリコンでしょうね
    半導体全部くるめて絶縁もできて放熱も出来れば最強ですね^^
    良いものを見せていただきました

    1. アナログ爺さん 様
      ブログの閲覧&コメントありがとうございます。

      やはり日本メーカー(組立は中国)品質ですよね。
      ただ、別の方のブログを見る限り東芝でも最近のものは部品の数が少なくなっているようですが…

      LEDが効率の悪い高演色(Ra90+)のものなので、発熱がかなりあるものと思われます。そのために放熱用シリコンを基板周辺に充填しているのでしょう。
      他の東芝LED電球には入っていないようなので

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