今回は、2023年2月頃からダイソーで販売されていた“LED電球T形 LDT7L-G-E26-60W”を分解・検証してみました。
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2023年4月現在のラインアップ(現在は販売終了)
- LDT5L-G-E26-40W 40W相当/電球色/4.7W/485lm/103.1lm/W
- LDT7L-G-E26-60W 60W相当/電球色/7.3W/810lm/110.9lm/W
価格はどちらも税込550円となっています。
外箱
仕様
寸法:全長約109mm×外径約37mm | 定格入力電流:0.119A |
質量:100g | 定格電圧:100V |
全光束:810lm | 定格寿命:40000時間 |
定格消費電力:7.3W | エネルギー消費効率:110.9lm/W |
T形のLED電球は、電球形蛍光灯のD形(EFD)と互換性のある形状になっています。
また、断熱材施工器具対応品なのでD形電球形蛍光灯専用のダウンライトで使用することもできます。
電球色なので橙色を基調としたデザインになっています。
上部にもエネルギー消費効率や60W形相当の印字がされています。
本体
箱からLED電球を出しました。
T形なので細長い形状になっています。
側面に印字されている型番です。
LED電球T形 60W形相当
電球色 100V 7.3W 50/60Hz
株式会社大創産業
4550480220840(T701)
(PS)E MADE IN CHINA
2022年11月28日製造品のようです。
グローブの頂部です。一般電球形とは違い平らな円形になっています。
口金です。金属は薄めですが、しっかりした造りになっています。
全長は109mm(10.9cm)となっています。
電球形蛍光灯ではこれよりも長いものもあったので、だいたいの器具に合うと思われます。
ただし、設計によっては奥まってしまいうまく光らない場合もあるので、全長を確認することを推奨します。
配光角は一般電球形よりも広い290°となっているので、下まで明るく照らすことができます。
分解
【注意】
分解は危険を伴います。決して真似をしないようお願いします。
真似をしたことによって事故が発生しても管理人は責任を負いません。
また、一度分解したものを元に戻すことはできません。
まずは隙間にマイナスドライバーを挿入し、てこの原理で少しずつ接着剤を剥がしていきます。
このLED電球は接着がかなり強いので、外すのがかなり大変でした。
グローブが外れるとこのようになります。
グローブです。35mmフィルムのケースのような見た目をしています。
グローブを外した状態で点灯してみました。
チップLEDが18個実装されています。
電圧や電流は以下のようになっています。
- 電源回路からの供給電圧は50.22V
- LED1個あたりの電圧は8.4V
- LED回路全体の電流は128mA
このことからチップLED内に3素子実装されていることと、6個が直列接続になっていることが分かります。(6直列×3並列接続)
電源基板はシリコン充填されています。
持ったときの重量が若干重く感じたのですが、これが理由のようです。
LED基板表面です。このように6個が直列接続になっていて、3並列接続になっています。
チップLEDのアップです。蛍光体の角が八角形になっているのが特徴的です。
LED基板の裏面です。「QW203」と印字されています。
電源基板を取り出すには、口金の半田を除去する必要があります。
半田を除去したら、マイナスドライバーで口金を外していきます。
口金が外れました。
内部の充填を、マイナスドライバーなどを使用して除去します。
口金の裏側にも充填されているので、取り外しにくいですがほどほどに力を入れて外します。
ある程度除去すると押し出せるようになるので、口金側から押します。
すると、電源基板が外れます。
あとは電源基板を覆っているシリコンを除去していきます。
電源基板の表面です。インダクタやコンデンサが実装されています。
細かな違いはありますが、「アイリスオーヤマ LED高演色電球 LDA10L-G-6T5HR」の基板に非常に似ています。
F1はヒューズ抵抗で、黄・紫・銀・金の0.47Ω±5%のものが使用されています。
C1はメタライズドフィルムコンデンサで、0.1μF 250V耐圧品が実装されています。
C2は電解コンデンサで、
中国 Aihua Group製のCD11GAS 105℃ 8000時間定格
3.3μF 250V耐圧品が実装されています。
C3・C5は電解コンデンサで、
中国 Sinecon製 CD11SL 105℃定格 3.3μF 200V耐圧品が実装されています。
C7は積層セラミックコンデンサで、
中国 Songtian Electronics(STE)製 102(0.001μF) 1000V耐圧品が実装されています。
L1はインダクタですが、詳細不明です。
T2はトランスですが、型番がPL-24-140 SHのほかは不明です。
電源基板の裏面です。ブリッジダイオードやIC、チップ抵抗、チップコンデンサが実装されています。
こちらもアイリスオーヤマのものにソックリです。
BD1はブリッジダイオードで、
MB10F 1000V 500mA定格品が実装されています。
D2はファストリカバリダイオ-ドで、
E1J 600V 1A定格品が実装されています。
U2はLEDドライバICで、
中国 Shanghai Jingfeng Mingyuan Semiconductor Co., Ltd製のBP3236が実装されています。
スイッチング式で、LED短絡・低電圧・発熱保護回路が内蔵されています。
また、調光制御にも対応しているようですが、このLED電球では使用していません。
LEDドライバICの電流制限抵抗です。
RS1は1R20(1.2Ω)で、RS2は未実装となっています。
電源基板裏面の左半分です。
全て分解するとこのようになります。
電源基板の表裏です。裏面は左右反転しています。
やはり基板のレイアウトがほぼ同じなので、アイリスオーヤマの高演色LED電球とこのLED電球は同じ工場で製造されているようです。
電源基板の部品を外しました。
550円という安価なLED電球ですが、かなりしっかりした部品構成になっています。
一時期定電流式のLED電球が売られていた(110円のものは現在も定電流式)ものの、再びスイッチング式に戻っています。
ダイソーのLED電球は短期間で仕様が変わることがあるため現時点では良くても、後になると微妙な製品になることもあります。
また、初期不良以外の保証は無いので長時間使用する用途ではパナソニックやNVCライティング(東芝)などの大手メーカー品の購入を推奨します。
今回は以上です。