今回は、パナソニックが充電式エボルタ専用の充電器として販売していた“BQ-391”を分解しました。
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本体
本体前面です。現行品にはないカバーが付いています。
下にスライドしてから持ち上げると開きます。
単3ニッケル水素充電池は4本、単4ニッケル水素充電池は2本までセットできます。
なお、単3と単4を同時に充電する場合は設計上3本までしかセットできません。(単3が2本と単4が1本)
充電中は、下部にある緑LEDが点滅します。充電が完了すると点灯したままになります。
本体背面です。スライド式のコンセントと、型番などが印字されています。
Panasonic
ニッケル水素電池 単3形・単4形兼用充電器
品番 BQ-391
<PS>E JET MDBD
定格入力:AC 100-240V 18VA 50-60Hz
定格出力:DC 1.5V 0.55A×4
スライドさせるとコンセントに挿せるようになります。
分解
ここからは分解です。
【注意】
この製品は高電圧を扱うため、分解したものを使用することは絶対にお止めください。火災や事故の原因になります。
また、分解したことによって生じた事故や怪我などについて管理人は責任を負いません。
まずは上下2箇所にあるプラスねじを外します。
ねじには黒く塗装されているものが使用されています。
次に隙間にマイナスドライバーを挿入し、4箇所あるツメを外していきます。
全て外れるとこのように2つに別れます。
この製品は2009年12月に筐体がつくられたようです。
筐体から基板を外しました。
基板表面です。電解コンデンサやトランスなどが実装されています。
下部をアップで撮影しました。黒い部品は温度センサーのようです。
高温になった場合は充電を停止するように設計されているものと思われます。
上部をアップで撮影しました。一番上にあるICにはヒートシンクが付いています。
C02は電解コンデンサで、ルビコン製の560μF 6.3V耐圧 ZLGシリーズ 105℃定格品が実装されています。
C03は電解コンデンサで、ルビコン製の4.7μF 400V耐圧 YXAシリーズ 105℃定格品が実装されています。
C05は電解コンデンサで、サン電子工業製の1μF 50V耐圧 105℃定格品が実装されています。
C22は電解コンデンサで、ルビコン製の220μF 25V耐圧 PXシリーズ 105℃定格品が実装されています。
C01はメタライズドフィルムコンデンサで、683=0.068μF 250V定格品が実装されています。
C10は積層セラミックコンデンサで、村田製作所製の102=1000pF(0.001μF) 250V定格品が実装されています。
F01はヒューズで、アメリカ Bel Fuse Inc.社製の1A 250V定格品が実装されています。
L01はインダクタで、202=2mHが実装されています。
T01はトランスですが、詳細不明です。
VR21は可変抵抗で、102=1kΩが実装されています。
IC23は3端子レギュレーターでLM317が実装されています。
LM317は複数メーカーで製造されている有名なICです。
PHC01はフォトカプラで、NEC製のPS2561A GaNs発光ダイオードとNPNシリコンフォトトランジスタを内蔵したものが実装されています。
IC01はインテリジェントパワーデバイスICで、パナソニック製のMIP2F20MSが実装されています。
このICが電源関係を管理しているようです。
基板裏面です。ICが2つとブリッジダイオード、その他チップ抵抗などが実装されています。
D01はブリッジダイオードで、台湾 PANJIT Semiconductor社製のD1106Sが実装されています。
D21はショットキーバリアダイオードで、京セラ製のEA60QC03L 30V 6A定格品が実装されています。
IC21はNEC製のF9234304が実装されていますが、専用品だと思われます。
IC22は低電力クワッドオペアンプのAS324Aが実装されています。
全て分解するとこのようになります。
全体的に日本メーカー製の部品が多く、しっかりした造りになっていることが分かりました。
現行品は旧三洋電機製のものがベースになっているようで、かなり設計が変わっています。
基板の部品を全て外しました。
表面は充電池が入る都合上、半分以下の面積しか使えないものの効率よく部品が配置されています。
今回は以上です。