今回は、アイリスオーヤマが販売していた丸形LEDランプの「LDFCL3032D」を分解しました。
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ランプの紹介
型番が3032となっていることからも分かるように、このLEDランプは30W+32Wの蛍光灯と置き換えることができます。
LEDランプは32Wの蛍光灯と同じ大きさになっています。
半透明のプラスチックが使われている方を下にして取り付けます。
裏側です。型番が記載されています。
また、こちらは不透明のプラスチックが使われているため光りません。
丸形LEDランプ 32形サイズ
LDFCL3032D 昼光色
AC100V専用 Ra80
50-60Hz 290mA 26.5W
IRIS OHYAMA
また、このLEDランプはFCL32を使用する蛍光灯器具専用です。スリム蛍光灯やツイン蛍光灯などを使用する器具には取り付けできません。
丸形LEDランプ専用給電コネクターです。常夜灯(E12)に挿入して使用します。
シーリングライトの場合は、シーリングアダプターから出ている線を直接接続します。
2016年3月21日製造のようです。
実際にシーリングライトに取り付けてみました。
連写すると明るさの違う写真になるため、チラつきがあります。
目視でもハッキリ判るレベルのチラつきなので、リビングに設置することはオススメできません。
カバーを外しました。元々別のペンダントライトに取り付けていたため部品が無かったことから常夜灯から電源を取っていますが、故障の原因になる可能性があるので非推奨です。
リモコン式の蛍光灯器具ではこの方法はNGです。故障します。
器具はパナソニックのHHP405EP-Rです。プルスイッチタイプの照明器具です。
15年経過していることもあり、かなり痛みが目立っていたので現在はホタルクスの「HLDC08208」に取り換えています。
常夜灯です。光色は電球色となります。
通常は昼光色のLEDが点灯します。
他には昼白色と電球色のラインアップがありました。(調色は不可)
リモコンです。カード型のリモコンです。
型番はML-RU1となります。
電池はリチウムコイン電池(CR2025)です。
分解
【注意】
分解は危険を伴います。必ず不要になった製品で実施するようにしてください。また、分解したことによって発生した事故や怪我などは管理人は責任を負いません。
まずはリモコンを分解しました。操作部がシールになっているので隙間にマイナスドライバーを挿入して少しずつ剥がしていきます。
剥がれるとこのようになります。
シール部の裏側に金属板があり、それが触れることで動作する仕組みのようです。
分解を進めるとこのようになります。
基板です。片面実装となっています。
部品の型番は基板に印字されています。
電解コンデンサは22μF10V耐圧品が使用されています。
メーカー名は恐らくFeaconだと思われますが、詳細は不明です。
次に丸形LEDランプ専用給電コネクターを分解していきます。
分解するにはまず口金を外す必要があります。
隙間に細いドライバーを挿入し、てこの原理で少しずつ外していきます。
プラスネジ2つを外すとこのようになります。
いよいよ本題のLEDランプの分解です。
まずは裏側のプラスネジ5本をドライバーで外します。
外して、隙間を軽く引っ張ると2つに分離します。
グローブです。光を拡散させるため半透明のプラスチックになっています。
裏側にはネジ穴があります。
LED基板とベース部分です。LEDが多数実装されています。
グローブを外した状態で点灯しました。光が拡散しないためかなり眩しいです。
今回の製品はパルス状の電源が供給されているため、テスターではうまく測れませんでした。
LED基板への供給電流は265mA程度となっています。
昼光色のLEDなので青みが強いです。
LEDチップが綺麗に実装されています。
蛍光体が薄いので素子部がハッキリと見えます。
常夜灯用のLEDは電源基板に実装されています。
LEDチップは3つが並列接続になっています。
3個×11列=33個が1つの基板になっています。
乾電池4本(6V)で点灯することから、LEDチップ1つあたり2素子が直列になっていることが分かります。
LEDが33個実装された基板が3つ接続されているので、合計99個実装されています。
基板の基材はガラスエポキシ製になります。
アルミ製の基板ではないので、LEDの数を増やすことで発熱を抑える設計になっているようです。
LED基板を外すと、電源基板が現れます。
全体の3分の1程度の大きさになります。
電源基板とLED基板がショートするのを防ぐために間に半透明のシートが入っています。
基板にはIRIS PT2286Aの刻印があります。
ベース部分です。白いプラスチック製ですが、放熱構造にはなっていないようです。
電源基板を取り外しました。
表面中央付近のコーキングで固定されています。
コーキングを外しました。
全て分解するとこのようになります。
少ない部品で組み立てられるように工夫されています。
常夜灯LEDは乾電池2本(3V)で点灯します。
基板表面の主な部品です。
C1・C2はメタライズトポリエステルフィルムコンデンサで、274(0.27μF) 450V耐圧品
L1はインダクタ
ZNR1はバリスタ
F1はヒューズ 15A 300V定格品
C18は電解コンデンサで、日本ケミコン製 KXJシリーズ 105℃10000時間定格 56μF160V耐圧品
T1はトランス
C3はメタライズトポリエステルフィルムコンデンサで、125(1.25μF) 250V耐圧品
IC2はパナソニック製 MIP2E3D インテリジェントパワーデバイスIC
L2はインダクタ
C6は電解コンデンサで、日本ケミコン製 LEシリーズ 105℃ 100μF25V耐圧品
C16・C210はルビコン製 YXMシリーズ 105℃ 47μF25V耐圧品
がそれぞれ実装されています。
基板裏面の主な部品です。裏面は細かい部品が多数実装されているため、一部のみの紹介となります。
D1はブリッジダイオードで、PJ587
L3・L4はインダクタ
R1・R25は抵抗で、125(1.25MΩ)
D4はファストリカバリダイオードで、ER2J 600V 2A定格品
Q1はN-Ch MOSFET TK10P60W 東芝製 600V 9.7A定格品
IC1はLEDドライバIC 台湾 RICHTEK製 RT7307
IC201は詳細不明(リモートコントロール関連のICだと思われる)
IC3も詳細不明
常夜灯LEDの横には赤外線受光部が実装されています。
自社設計品のようで、全体的にしっかりした構造になっています。
ただし、放熱設計が明らかに甘いので真夏の暑い状態で長時間点灯すると寿命が縮まる可能性はあります。
また、本体に対してリモコンが安っぽすぎるので、もう少ししっかりしたリモコンが必要だと思われます。この製品も壊れていて操作ができなくなっています。
リモコンの電池はCR2025(本当は2032?)ですが、コイン電池は減りが早いので単4乾電池あたりが理想です。
今回は以上です。