今回は、磁気研究所が2021年10月に発売した日本製のカセットテープ“HD-90CT1J-G”を紹介します。
公式サイト
最初に
このカセットテープは、2020年9月末に撤退した東京電化の設備を譲り受け、2021年10月から茨城県の磁気研究所の事業所で生産されているものになります。
日本ビクターと東京電化でカセットテープの制作に携わってきたエンジニアが就任しているため、今回のテープは中国製のものとは違うと思われますがどうでしょう?
結果は最後に記載してあります。
こちらの動画の24秒頃に使用しているパンケーキとシェル(ハーフ)の原産国が記載されています。
パンケーキ | 品質 | タイプ |
米国 60分、90分 | 最高 | タイプ2 |
フランス 60分、90分 | 最高 | タイプ1 |
中国 10分、20分、60分、90分 | 音楽 | タイプ1 |
中国 10分、20分、60分、90分 | 会話 | タイプ1 |
※フランス製のものはRTM社製のものになります。また、米国製のタイプ2はNAC社製のものになります。
製品名 | 原産国 | 備考 |
CZERO シェル | イタリア、中国 | ハーフ |
プラスチックケース | イタリア、香港、中国 |
ケース・インデックスカード
まずはケースです。透明の厚型ケースが使用されています。
お菓子の包装のような開封口があります。
紅白のデザインと大きなロゴが特徴的です。
外側の包装を剥がしました。
右下の●Made in Japanの文字が目立ちます。
サイドも紅白のデザインになっています。
インデックスカードです。表面はロゴや分数、バーコードが記載されています。
裏面は記入欄が各面10段ずつあります。
QRコードは磁気研究所のトップページにリンクしています。
テープ本体
まずは表面です。こちらも紅白のデザインが特徴的です。
ハーフは業務用の標準品が使用されているようです。
上部です。型が新しいのか成形はかなり綺麗です。
上部の成形が悪いと意図しないポジションで認識されてしまうことがあります。
側面です。ロット印字は5桁(A10M9)となっています。
この辺は東京電化製のものとほぼ同じです。
底面(テープ面)です。パッドはかなり大きなものが使用されています。
その後ろには磁気遮蔽板があります。
現行品と近年まで生産されていたテープを比較しました。
上は現行品のマクセル UR-N
中は今回の磁気研究所日本製
下はナガオカ CT(東京電化製)
マクセルURとナガオカCTはほぼ同じ色のテープとなっていますが、磁気研究所のテープは明らかに黒っぽいものが使われています。
似ているハーフが使われているナガオカ CTと比較してみました。
基本的な形状は同じですが、よく見るとラベル上部の造形が少し違っています。
恐らくは型を新たに起こしたためと思われます。
上部の比較です。よく見ると磁気研究所製の方が爪が小さいようです。
ロット番号の比較ですが、黒に黒色で印字されているためよく見えなくなってしまっています。
上にも書きましたが、磁気研究所製のものは5桁 (A10M9) なのに対して東京電化製のものは6桁(DJ1119)となっています。
録音
ここまででテープ本体を紹介しましたが、実際に録音したのでそちらを紹介します。
REC LEVELが最大になっているのは音源の音量が小さいためですので気にしないで下さい。感度は良好で、レベル低下はほとんど見られませんでした。
音源にはMusMus様の「Use it if you can!」を使用しました。
(ダウンロードはMusMus様のサイトでお願いします)
こちらは同じ磁気研究所の中国製テープです。
日本製の方はかなり綺麗な音質で録音できていることが分かります。
しかし、中国製の方は音飛びが発生していたりするのでかなり酷いものとなっていますし、全体的に音が割れてしまっています。
下の写真は磁気研究所の中国製と日本製、マクセルのUD60FMを比較しました。
上は磁気研究所 中国製(100円ショップのもの)
中は今回の磁気研究所 日本製
下はマクセル UD60FM
テープの色はUD60FMに近いようですが、表面処理の違いで艶の有無があります。
生産コストが上昇しているようで、1本390円(90分)と高めでしたが、音質は普通に使えるレベルのものになっています。
現行のマクセルURよりも音が良いという意見もあります。
今後、磁気研究所ではハイポジションテープの販売が予定されているのでそちらにも期待したいです。
今回は以上です。