[分解] 東芝蛍光灯器具 FLD-2790M(V)-EL

今回は、東芝の蛍光灯ダウンライト「FLD-2790M(V)-EL」を分解してみました。

下の画像の白熱灯器具(LED電球を使用)に交換したため、古い器具を取り外したことに伴い記事を作成しました。

箱には
TOSHIBA 東芝ライテック株式会社
ID-76120(S) 銀色
東芝白熱灯器具
100W形ホワイトランプ(別売) 1個
1408WA06
と記載されています。

なお、2015年に交換したものの記事にしていなかったため2014年製となっています。

見た目が前のものに近いものから選択したため、違和感はありません。
キッチンなので反射板が銀色の方が汚れにくいです。

管理人は第二種電気工事士免状を持っているため自分で交換しましたが、資格がない場合は工事業者に依頼する必要があります。

LED電球はIKEAの“LEDARE”1000lm 5000K(Ra80・昼白色)を使用しています。

ここからは本題です

器具を上から見た状態です。
安定器と電子スタータを搭載しているため、かなり大きいことが分かります。

シールには
警告 火災のおそれあり
断熱材で覆わないこと
指定容量以下で使用すること。
断熱材施工不可
送り15Aまで
と記載されています。

この器具は一般型(M型)なので断熱材施工天井には使用できません。

器具右側です。養生テープで留めている金具を下にスライドすることで天井に固定されます。

器具前面です。銀色の反射板が目立ちます。

器具左側です。鉄板の部分には安定器が取り付けられています。

器具後面です。右上の白い部品は端子台です。ここに電線を接続します。

器具正面です。この器具はコンパクト形蛍光灯(FDL27)を使用するので蛍光管が目立ちます。

天井裏が狭い場合でも取り付けられるように蛍光管は横向きとなっています。

反射板です。アルミ製のようです。

反射板には蛍光管の型番、警告が書かれたシールが貼られています。
順に以下が記載されています。

ユーライン2
27W
FDL27EX

警告
火災、落下のおそれあり
指定以外のランプ使用禁止

警告
やけどのおそれあり
点灯中や消灯直後のランプにさわるな

反射板と蛍光管を外すと枠だけになります。

東芝蛍光灯器具
FLD-2790M(V)-EL
T.TERADA
50Hz
100V 32W ランプ 27W×1
FDL27W×1 FRS13-D271
電子スタータ式 0.61A
東芝ライテック株式会社 0011WA1822

この器具は寺田電機製作所(現・株式会社TERADA)製のようです。公共施設型番は「FRS13-D271」となっています。

手前から順に、電子スタータ、蛍光灯ソケット、蛍光灯安定器です。

電子スタータは東芝のES15/30 SL-3が、ソケットは三菱電機製のL-221GX27が使用されています。

電子スタータは15Wから30Wの蛍光灯に使用できるもののようです。

蛍光灯安定器は
東芝 HS E種
FBC-30152A
(甲種電気用品マーク)61-14498
100V 50Hz
FL30S×1
0.61A 34W 器具内用
〄(旧JISマーク) C8108 376168
東芝ライテック株式会社
0010S 77
が使用されています。

器具シールの消費電力よりも2W高いようですが(32→34W)測定方法が違うものと思われます。

安定器からは白線と赤線が、電子スタータからは黄・赤・青線が出ていてそれらがソケットに接続されています。

端子台は電源線を差し込む穴と送り線を差し込む穴があります。
電源供給側から順に並列接続します。

端子台の接続は、Nに白線(接地側)を差し込み、何も書いていない方に黒線(非接地側)を差し込みます。
被覆はこの器具の場合は13mm剥ぎます。

特に上2つの接続はショートするため絶対に行ってはいけません。左下も誤りです。

点灯させてみました。
蛍光管が反射板からはみ出しているので、天井裏も少し明るくなっているはずです。

点灯時は電子スタータ式なのでほぼ一瞬で明るくなります。

なお、銅鉄式安定器なのでチラつきがあります。
GIFアニメーションでは分かりやすいように本来の点滅速度よりも遅くしています。

電子スタータを分解してみました。
シールには以下のように記載されています。

TOSHIBA
ES15/30 SL-3
100V 15,20,30W用 M.A.T.
001002
(1)黄線(2)赤線(3)青線

裏側は3つの爪で蓋が固定されています。

爪にマイナスドライバーを挿入し、順番に外していきます。

蓋を開けると中には基板が入っています。

電子スタータの基板表面です。
左側の金メッキの端子に電線が接続されています。

以下に部品の詳細を記載しています。

C1はセラミックコンデンサで、松下電器産業製※の602(6000pF) 250V ACが実装されています。

C2・C3はメタライズドフィルムコンデンサで、333K(0.033μF)が実装されています。

※現在はパナソニックですが、2000年製なので当時は松下電器産業。

Q1はサイリスタで、ルネサスエレクトロニクス製※のCR03AM-12 05が実装されています。

※2000年当時はNECエレクトロニクス

PTC(正温度係数サーミスタ)は村田製作所製のR100 9Dが実装されています。

VZ1・VZ2はバリスタで、松下電器産業製のそれぞれ
VZ1:V221U(ERZV05D221) 08
VZ2:V7511U(ERZV07D511) 80
が実装されています。

抵抗はR1-R4の4つ実装されていますが、その内R1とR4は縦に実装されているので画像を掲載します。

R1:灰・赤・橙・金(82kΩ)
R2:紫・灰・橙・金(78kΩ)
R3:赤・赤・赤・金(2.2kΩ)
R4:灰・緑・赤・金(8.5kΩ)

片面実装なので基板裏面に部品は実装されていません。

裏面は部品の実装が分かりやすいように上下反転しています。

端子はケースに入っていると電線と密着する構造になっています。
基板むき出しの状態では正しく接触しません。

最後に蛍光管です

純正の蛍光管は東芝 ユーライン2 FDL27EX-L(電球色)でした。

画像の蛍光管は三菱電機オスラム製 BB・2 FDL27EX-N(昼白色)です。

なお、東芝ライテック(2017/3)も現在の三菱電機照明(2019/12)も蛍光管の生産からは撤退しています。

仕様

型番FLD-2790M(V)-EL/三菱電機照明 FRS13-D271
対応周波数50Hz
対応電圧100V
消費電力32W(安定器:34W)
対応蛍光管FDL27EX-L/N/D
蛍光管全光束1550lm(L/N)・1450lm(D)
点灯方式電子スタータ
電流0.61A
埋込穴寸法150mm
器具寸法幅:165mm/奥行:250mm/高さ:100mm
質量1.2kg

白熱電球よりは3分の1程度の消費電力となっていますが、15W程度のLED電球と比べるとかなり消費電力が大きいことが分かります。

銅鉄式安定器のため、効率が悪く消費電力が大きくなってしまっています。電球形蛍光灯では同等の明るさで20W程度でした。

また、安定器や電子スタータが故障した場合は器具自体の交換が必要です。

今回は以上です。

「[分解] 東芝蛍光灯器具 FLD-2790M(V)-EL」への2件のフィードバック

  1. FLD-2790Mのソケットが壊れた(接触不良)ためさてどうしたものかと検索していたらここにたどり着きました。もちろん安定器バイパスしLEDとしております。ソケットはもう売っていないみたいです。とほほ・・・・。このページの写真を見ていて思いつきました。ソケットをE27に交換しかえたらよいと、アマゾンで400円でE26が売ってあります。中国では200円!参考になりました。ありがとうございました。

    1. コメントありがとうございます。
      この記事が参考になったようで良かったです。

      ただ、蛍光灯を縦に挿入するタイプだとLED電球式に改造しても適合するLED電球が多いので良いのですが、横に挿入するタイプ(この器具)だとT形のLED電球しか使えないと思うのでそこが難点ではありますね。

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