今回は、地上デジタルとBSデジタル放送の音質についてです。
その前に、マスターのメーカーについてです。
日本の放送局で使用されているマスターは主に3社(NEC/東芝/パナソニック)ありますが、殆どはNECと東芝です。
NECはAPS、東芝とパナソニックではAPCと呼ばれています。
今回の音質についてではNECと東芝のマスターを使用した関東の放送局について触れます。
ワンセグや一部のCS放送を除いて、音声はAAC-LC(MPEG2)に圧縮して放送されています。サンプリング周波数はすべての局で48000Hzです。また、映像もMPEG2で圧縮されています。
また、2011年以降にマスターを更新した局は東芝製マスターを採用していてもエンコーダーはNEC製のようです。
一覧の見方
音声ビットレート/カットオフ周波数=ハイカット(備考)の順で表記しています
NECマスターの局は青字で、東芝マスターの局は赤字で表記しています
BS局の()内の値はスロット数です。FHDはフルHD(1920×1080)放送実施局を表しています。通常は1440×1080ドットになります。
72Kbps/14kHzカット(モノラル) 旧NEC
現在は該当なし(過去にはNHK総合とNHKEテレが該当していた)
144Kbps/15kHzカット(モノラル 72Kbps) 新旧NEC
[地上波]
- NHK総合
- NHKEテレ
[BS]
- NHK-BS1(20)※モノラル
- NHK-BSプレミアム(18・FHD)※モノラル
- 釣りビジョン(12)
- ディズニーチャンネル (12)
(音声波形は192Kbps/15kHzカットと同一です)
モノラル144Kbps/20.25kHzカット 新型東芝
- 放送大学(16)※ステレオは192Kbps/18kHzカット
192Kbps/15kHzカット 旧型NEC
現在は該当なし(過去には複数のテレビ局が該当していた)
192Kbps/18kHzカット 新型NEC/新型東芝
[地上波]
- テレビ朝日
- TBS
- フジテレビ
- テレビ神奈川
- 群馬テレビ(2022/12/01-)
- テレビ埼玉(2023/12/11-・HD+HD対応)
[BS]
- NHK-BS1(20)※副音声実施時
- NHK-BSプレミアム(18・FHD)※副音声実施時
- BS朝日(16)
- BS-TBS(16)
- TwellV(14)
- BSスカパー(12)
- グリーンチャンネル(16)
- WOWOW(24×3・FHD)
- 日本映画専門チャンネル(12)
- アニマックス(12)
- 放送大学(16)※モノラルは144Kbps/20.25kHzカット
- BSよしもと(12)
- BS松竹東急(12)
- BSJapanext(12)
192Kbps/20kHzカット 旧型東芝
現在は該当なし(過去にはフジテレビと放送大学のステレオが該当)
256Kbps/20kHzカット 旧型東芝
現在は該当なし(過去にはBSフジが該当)
256Kbps/20.25kHzカット 新型NEC/新型東芝
[地上波]
- NHK総合(圧縮Bモード)
- NHKEテレ(圧縮Bモード)
- 日本テレビ ※解説放送実施時は192Kbps/18kHzカット×2
- TBS ※音楽番組時
- テレビ東京 ※副音声実施時は256Kbps+192Kbps/18kHzカット
- TOKYO MX(2023/10/1マスター更新)
- 千葉テレビ(HD+HD対応)
[BS]
- NHK-BS1(20)※副音声実施時は192Kbps/18kHzカット
- NHK-BSプレミアム(18・FHD)※副音声実施時は192Kbps/18kHzカット
- BS日テレ(16)
- BSテレ東(旧BS-JAPAN)(16)※副音声実施時は256Kbps+192Kbps/18kHzカット
- BSフジ(16)
- BS11(18・FHD 2021年マスター更新)
- スターチャンネル(12×3)
- J SPORTS(12×4)
384Kbps/15KHzカット(5.1chサラウンド) 新旧NEC/東芝
[地上波]
- NHKEテレ
- フジテレビ
詳細不明
※情報募集中です
とちぎテレビ(2023/2/27-)
マスター更新履歴(時系列順)
- 2008.12.01 フジテレビ・BSフジ・CSフジが3波対応型統合マスターに更新(東芝製)
- フジテレビの更新前はアナログマスターにエンコーダー後付けで対応
- 2016.11.07 テレビ東京・BS-JAPANが2波対応型統合マスターに更新(NEC製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット
- 2017.1頃 NHK総合・Eテレが更新(NEC製)
- 更新前はNEC(エンコーダーは東芝)/256Kbps/20kHzカット/モノラルは72Kbpsの14kHzカット
- 2017.7.01 TwellVが更新(東芝製)
- 更新前は東芝/192Kbps/20kHzカット
- 2017.9.3 日本テレビが更新(NEC製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット/モノラルのみ24kHz
- 2017.10.02 TBSが更新(東芝製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット
- 2018.10.01 放送大学が更新(東芝製?)と同時に地上デジタル・FM放送は停波
- 更新前は東芝/モノラル128Kbps・ステレオ192Kbps/20kHzカット
- 2019.6.10 フジテレビが更新(東芝製)
- 更新前は東芝/192Kbps/20kHzカット
- 2019.9.30 BSフジが更新(東芝製)
- 更新前は東芝/256Kbps/20kHzカット
- 2020.11.30 千葉テレビが更新(NEC製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット
- 2022.12.1 群馬テレビが更新(NEC製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット
- 2023.2.27 とちぎテレビが更新(NEC製)
- 更新前はNEC/320Kbps/16kHzカット?
- 2023.10.1 TOKYO MXが更新(NEC製?)
- エンコーダーを2014年に更新しているため仕様はそのまま(マスターは2006年7月1日に更新)
- 2023.12.11 テレビ埼玉が更新(NEC製)
- 更新前はNEC/192Kbps/15kHzカット(2001.4.1稼働・2005.12.1改修)
BSの帯域再編スケジュール
【スロット削減】
- NHK-BS1:2018年1月14日(23→20 BS15 TS1)
- NHK-BSプレミアム:2018年1月14日(21.5→18 BS3 TS1)
- BS朝日:2018年1月22日(24→16 BS1 TS0)
- BS–TBS:2018年1月22日(24→16 BS1 TS1)
- BS日テレ:2018年1月29日(24→16 BS13 TS0)
- BSフジ:2018年1月29日(24→16 BS13 TS1)
- BS-JAPAN:2018年4月16日(24→16 BS1 TS2)
- WOWOWプラス:2021年4月13日(16→12→14 BS21 TS0)
帯域削減が行われた局は24スロットから16スロットになり、フルHDがハーフHDに変更されています。(音声は変化なし)
【トランスポンダ移動】
(2018年実施分)
- BS-JAPAN:2018年4月16日(BS3 TS1→BS1 TS2)
- NHK-BSプレミアム:2018年5月8日(BS15 TS2→BS3 TS1)
- ディズニーチャンネル:2018年5月22日(BS7 TS2→BS3 TS2)
- BSアニマックス:2018年5月22日(BS7 TS1→BS13 TS2)
- スターチャンネル2:2018年5月28日(BS7 TS0→BS15 TS2)
- スターチャンネル3:2018年5月27日-5月28日(BS7 TS0→BS15 TS2)
(2021年実施分)
- グリーンチャンネル:2021年2月2日(BS19→BS21 TS2)
- J SPORTS 4:2021年2月2日(BS21→BS19 TS0)
- J SPORTS 1:(BS19 TS1)
- J SPORTS 2:(BS19 TS2)
- J SPORTS 3:2021年2月9日(BS21→BS19 TS3)
- BS釣りビジョン:2021年4月13日(BS23→BS11 TS3)
- 日本映画専門チャンネル:2021年4月13日(BS23→BS21 TS1)
- ディズニー・チャンネル:2021年6月1日(BS3 TS2→BS23 TS0)
(2024年実施分 ※予定)
- BSアニマックス:2024年10月9日(BS13 TS2→BS3 TS1?)
- BS釣りビジョン:2024年10月9日(BS11 TS2→BS3 TS2?)
- 放送大学:2024年11月11日(BS11 TS1→BS13 TS2?)
【新規開局】
- BSよしもと:2022年3月21日開局(12 BS23 TS2)
- BS松竹東急:2022年3月26日開局(12 BS23 TS3)
- BSJapanext:2022年3月27日開局(12 BS23 TS1)
最新のトランスポンダは総務省の「衛星放送の現状」を参照。
今回は以上です。