今回は、パナソニックがかつて販売していたモバイルバッテリーの“QE-QL201”を分解しました。
【警告】
本製品はリチウムイオン電池が内蔵されています。そのため、分解には危険が伴うので絶対に真似をしないようお願いします。
管理人は事故や怪我が起こっても責任を負いません。
本体
正面です。光沢のある黒色の筐体に、Panasonicロゴと型番(QE-QL201)が銀色で印字されています。
右側にあるボタンは電源ボタンです。
裏面です。製品の仕様が記載されたシールが貼られています。
定格入力:DC5V 1A(最大)
定格出力:DC5V 1.5A(最大)
充電式リチウムイオン電池 3.7V/5400mAh(20Wh)
左側です。未使用時はカバーを付けることができ、カバーにはLEDライトが搭載されています。
点灯させてみました。広角なので周囲はほんのり明るくなります。
電源ボタンの横にはランプが付いており、残量に応じて緑→黄→赤と変化します。
右側です。充電用のMicroUSB端子と、ストラップホールがあります。
側面です。電池の関係で半円形になっています。
左側の給電用USB Type A端子です。2つあり合計給電能力は5V 1.5Aとなっています。
そのため、最近のスマートフォンでは給電能力が追い付かないことがあります。
分解
まずは、カバー兼LEDライトを分解しました。
前面です。中心にLEDチップが実装されているのが薄っすらと確認できます。
背面です。USB端子から給電されるようになっています。
なのでこのモバイルバッテリー以外に接続しても点灯します。
前面カバーを、隙間にマイナスドライバーを挿入して外しました。
カバーが取れるとこのように基板が現れます。
抵抗は0Ωのジャンパー用抵抗が4つと、68R0(68Ω)が1つ実装されています。
カバーから基板を取り出しました。
このように3つの部品から構成されています。
LED基板を点灯させてみました。
拡散カバーがないのでかなり眩しいです。
LEDは3チップSMD-LEDが実装されています。
次に、本体を分解しました。
接着剤で固定されているので、隙間にマイナスドライバーを挿入し、てこの原理で少しずつ外していきます。
なお、裏面のシールの下にネジが隠されているので必ず外すようにします。(通常のプラスネジです)
こちらがそのネジです。
1本しかないので長めのものになっています。
カバーが2つになりました。
メイン基板とリチウムイオン電池です。
こちらは表面になります。
裏面です。基板から温度センサーらしきものが出ています。
異常を検知した場合は動作を停止するような構造になっているようです。
左側です。USB Type A端子が目立ちます。
右側です。リチウムイオン電池は並列接続になっているようです。
センサー部です。シリコンのようなもので覆われています。
リチウムイオン電池を外しました。
リチウムイオン電池は18650サイズで、2700mAh品が2本使用されているようです。
リチウムイオン電池の電圧を測定してみました。
ランプが赤の状態で3.66Vあります。
1本には管理番号らしきものが印字されたシールが貼られていました。
*SASYD3MAB068828*と印字されています。
バッテリー本体には、QLLT3CD 061346と印字されています。
落下などの衝撃対策で、基板とバッテリーの間に頑丈なプラスチック製の枠が入っています。
やけに本体が大きい理由でもあると思われます。
基板
基板表面です。インダクタが4つ実装されているのが目立っています。
表面実装型インダクタ 2R0(2μH)です。
今回、ICについては写真のみの紹介とします。
基板裏面です。中央上部のICが目立っています。
なお、本体に入っている状態だとこちら側が上面になります。
アメリカ ATMEL製(現:Microchip Technology)のMEGA8535L 8bit AVRマイクロコントローラーが実装されています。
すべて分解するとこのようになります。
かなり最適化が行われており、少ない部品で構成されています。
また、パナソニック製ということもありフェイルセーフがしっかりしており、発火などのリスクが抑えられています。
最近は中国製の粗悪品を中心に発火事故が起こっているので信頼できるメーカーのものを選ぶことが重要です。
なお、パナソニックはモバイルバッテリーに電気用品安全法が適用されることになったときに撤退しております。
電気用品安全法のマーク「(PS)E」がない製品はフリマアプリやオークションなどでの販売が禁止されているので、この製品の出品はできません。ご注意ください。
今回は以上です。