[分解] パナソニック LED電球 LDA6N-H

今回は、パナソニックの初期に販売されていたLED電球の“LDA6N-H”を分解・解析してみました。

その他のLED電球は

その他の分解記事は

このLED電球は2011年12月に近所のホームセンターにて980円で販売されていたものを購入したものです。

外観

外箱は、昼白色なので緑色を基調としたデザインです。
また、“EVERLEDS”というブランドが使用されています。

調光器付き器具、断熱材施工器具、水銀灯器具、誘導灯(非常灯)器具には使用できません。

外観はコップのような形状で、グローブはLDA6D-E17/BHと同様のガラス製となっています。

PanasonicロゴとLDA6N-Hの型番が記載されています。

反対側には
LED電球
昼白色相当
100V 6.0W
調光器付や非常用、水銀灯器具などでは絶対に使用しないでください
中国製
と記載されています。

グローブは先程も書いた通りガラス製で、少し透けています。

口金は大手メーカー製ということもありしっかりしたものが使われています。

全長は105mm(10.5cm)
外径は55mm
質量は100g
となっています。

配光角が狭いため、グローブの反対側(下側)はあまり照らせていません。

グローブの下にLED素子が12個実装されているのが薄っすら見えます。

分解

【警告】
この製品にはガラスが使用されています。分解する際に怪我につながる可能性が非常に高いため、絶対に真似をしないようお願いします。
分解したことによって発生した怪我や事故の責任を管理人は負いません。

分解するには、グローブとアルミダイカスト製の放熱部の間の隙間にドライバーを入れ、少しずつ外側に広げていき接着剤を剥がしていきます。
このとき、力を入れすぎるとグローブが割れてしまいます。

このように、グローブは白色の接着剤で固定されています。
すりガラスのようなもののようです。

グローブが外れると、LED基板が現れます。
LED素子は12個実装されています。抵抗は0Ωなのでジャンパ用のようです。

LED基板はアルミ製です。放熱用グリスは塗られていません。

ネジは外れるのを防ぐためなのかワッシャー付きのものが使用されています。

放熱用に厚めのアルミ板がLED基板の固定部に使用されています。外側のアルミダイカストボディーと放熱性の接着剤で貼り付けられています。

電源基板に触れてショートするのを避けるために裏側には白いプラスチックが取り付けられています。

アルミ板を外すと電源基板が見えてきます。

電源基板を外すには、口金とアルミダイカストボディーの間にある白いプラスチックをマイナスドライバーで少しずつ外します。

外すとこのようになるので、口金の半田を半田こてで除去して配線を外します。

口金の側面にはロット番号が印字されています。
“1G14F”と刻印されており、意味は以下のようになります。

1=西暦の下1桁(この場合は2011年)
G=製造月(この場合は7月)
A:1月、B:2月、C:3月、D:4月、E:5月、F:6月、G:7月、H:8月、I:9月、J:10月、K:11月、L:12月
14Fはロット番号

アルミダイカストボディーと接触するとショートしてしまうので、電源基板との間に白いプラスチックが入っています。

アルミダイカストボディーは外側も内側も未塗装となっています。最近のものは白色塗装がされています。

電源基板表面です。初期のものなので部品が多めです。
電球形蛍光灯の設計を一部流用したのかLED電球用のものにしてはやたらと大型の基板となっています。

この画像は配線が分かりやすいように左右反転しています。

裏面には、チップ抵抗が5つ(抵抗値は画像を参照)とチップセラミックコンデンサが4つ、PTCサーミスタが実装されています。

PTCが実装されているため、温度が上昇すると明るさが変化するものと思われます。

LEDドライバICはパナソニックの“MIP551A”が実装されています。(MIP551の設計違いのもの)
抵抗R2は茶・橙・黄・赤で130kΩの誤差±2%以内のものが、R8は緑・黄・黒・金で54kΩの誤差±5%以内のものが実装されています。

C1はメタライズドフィルムコンデンサで、47nF400V耐圧のものが実装されています。

C10は同じくメタライズドフィルムコンデンサで、22nF250V耐圧のものが実装されています。

抵抗R6は、緑・茶・橙・金・紫で51.3Ωの誤差±1%以内のものが実装されています。

L2はインダクタ(コイル)で、bGEと印字されています。
NFはノイズフィルタです。

D1からD4はダイオード 1N4007(1000V1A定格)が、FRD1はサンケン電気製のEG1A(600V0.5A定格)が実装されています。

C2・C8は電解コンデンサで、中国 SAMXON製の6.8μF160V耐圧 RH(M) A5A 105℃H(10000時間定格品)が実装されています。

Fはヒューズ抵抗で、黄・紫・金・金で4.7Ωの誤差±5%以内のものが実装されています。

全て分解すると以下のようになります。
初期のLED電球なので全体的に部品が多いです。

LED素子について

改めて、グローブを外した状態で点灯してみました。
とても眩しく点灯しています。

LED素子を拡大してみました。よく見ると2素子入っているようです。

LED基板の配線は、真っ直ぐ引っ張ると外れ、真っ直ぐ差し込むと挿入できます。半田不良による故障を防ぐためのものと思われます。

電源基板からの供給電圧は35.5Vとなっており、供給電流は約135mAとなっています。(測定中に壊れてしまったので画像はありません)

LED素子には5.92Vが掛かっており、1素子あたり2直列が2つ×6ブロックとなっていることが分かります。

過去に分解したLDA6D-E17/BHとは違いスペースに余裕があるため、全体的に大型の部品が使われています。
これによって当時としては格安の約1000円を実現したものと思われます。

それでも現行品のものと比べると明るさも暗く、消費電力も大きく、寸法も大きいので明らかに黎明期のものであることが分かります。

しかし、ここ5年で大幅に性能が向上し相当成熟したことが分かります。パナソニックが2019年6月に発売した「LED電球 プレミアX」は平均演色評価数Ra90という高い演色性能ながら100lm/Wを超えているというすごいものになっています。(東芝キレイ色は60lm/W程度)

今回は以上です。

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