今回は、任天堂が2001年9月14日に発売した「ニンテンドーゲームキューブ」の電池交換とピックアップの調整方法を紹介します。
【注意】
この記事に記載されていることを真似したことによって故障しても管理人は責任を負いません。また、公式の修理サービスは2012年7月に終了しています。
本体の外観
天面です。ゲームキューブという名前の通り立方体の形状となっています。
2002年にグッドデザイン賞を受賞しているようです。
正面です。コントローラーの差込口が4つと、メモリーカードの挿入口が2つあります。
右側です。吸気口があります。
背面です。この本体は初期型なのでデジタルAV出力端子が付いていますが、後期型では廃止されています。
その他に専用ACアダプターの差込口とアナログAV出力端子(スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブのケーブルが使用可能)があります。
左側は排気口となっており、ファンが見えます。
底面です。拡張端子が3つ付いており、カバーで塞がれています。
カバーを外すと拡張端子が現れます。
天面を開けると、専用のゲームディスク(8cm独自規格ディスク)を挿入できます。
電池交換編
本体を分解するには、LH(ラインヘッド)ドライバーという専用のドライバーが必要です。
純正に相当するものは株式会社エンジニア製「DTC-27」ですが、Amazonなどで販売されている中国製のものでも使えます。(サイズは要確認)
底面の四隅にあるねじ穴にLHドライバーを挿入して、普通のねじと同じように回して外していきます。
外れるとこのように2つにわかれます。
背面の端子カバーが外れるので、無くさないように保管しておきます。
電池はコントローラーの基板に取り付けられています。
まず、前面パネルを爪を引っ張って外します。左右にあります。
外れたら、フレキシブルケーブルを上に少しずつ引き抜いていきます。一気に引っ張ると断線の恐れがあります。
このように前面のコントローラーの端子部分とメモリーカードスロット部が外れます。
裏返して、プラスねじを2つ外します。
すると前面のカバーが外れて電池が現れます。
日立マクセル(現:マクセル)製CR2032(タブ付)が使用されています。
※電池へのはんだ付けは非常に危険なので、タブ付の電池を用意するか、下記の電池ボックスを用意してください。
今回使用した電池ボックスは、「ELPA UM-CR2032NH」です。
外側の端子が+、内側の端子が-となっています。
既存の電池をはんだこてと吸い取り器を使って外します。
18年程度経過しているものですが、電圧が2.8Vありました。
タブ付電池よりも幅が広く、端子の長さが短いので足をたす必要があります。
実際に取り付けました。
片側の足だけを足したので斜めになっています。
最後にCR2032を入れ、時計を合わせてからコンセントを抜き、しばらく経っても時計がリセットされなければOKです。
ピックアップ編
次にピックアップです。この本体は読み込みに失敗するのでピックアップを調整しました。
※ピックアップは非常に細かな調整が必要です。ずらしすぎると一切読み込めなくなってしまいます。
ねじは前面に4つ(メモリーカードスロットの上・このねじを外すと金具が取れるので注意)
この4つは下記のねじよりも小さなものとなっています。
右側に5つ
背面に4つ
排気ファンのサイドに2つ
排気ファンを外すと3つあります。
ねじは小さくて長いものが4本と、太くて短いものが14本あります。
計18本となります。
ねじをすべて外し、上に引っ張るとドライブユニットが外れます。
ドライブユニットを裏返し、6つある小さなねじを外します。
本体のプラスねじよりも小さなものとなっています。
右側に穴が開いていますが通風孔となっています。左上の穴はメイン基板との接続端子があります。
ディスクドライブの基板です。
“VR401”とマーカーがある可変抵抗がピックアップの調整部です。
必ず初期位置をマーカーしておき、カメラで撮影しておくことを推奨します。
実際に調整してみました。
調整前はレンズを清掃しても「NO DISC」の表示が出て読み込めませんでした。
調整後は無事に読み込めるようになりました。
今回は反時計回りに1mm程度回しました。
まず反時計回りに1mm程度回して駄目だったら、初期位置に戻して今度は時計回りに1mm程度回します。
それでも駄目なら初期位置から今度は反時計回りに2mm程度回します。
これを繰り返して読み込める位置を探します。
なお、1周しても駄目な場合はピックアップユニットが故障している可能性が高いです。
ピックアップユニットは経年劣化で読み込み不良が起こりやすいので、限界を迎えた場合は別の部分が故障しているゲームキューブを入手して移植する必要があります。
また、ゲームキューブのディスクはゲームボーイプレーヤーなどの一部を除いてWiiでも読み込めるのでそちらもオススメです。
電池交換では、フレキシブルケーブルの破損に注意する必要があります。こちらも壊してしまった場合は他の本体から移植する必要があります。
今回は以上です。